マルクス主義がどうしてこれほどまでに根深いのか2
マルクス主義について考えてみる。
平等の名のもとに不平等を実現させ、自由の名のもとに自由を奪い、人権を掲げながら人権を蹂躙し、平和を掲げながら侵略行為をするという今の一部の活動家たちは、形を変えたマルクス主義者たちです。
でもなぜ?終わったと思われたマルクス主義者たちがこれほどまでにしぶとく、今なお世界の世界の政治経済、思想に影響を与え続けるのでしょうか?
ここで、その理由について考えてみたいと思います。
概要
彼らは、偽りの思想体系は、近世啓蒙主義という理性万能主義的発想に端を発します。
「人はみな理性的存在である。ゆえに無知蒙昧な人間を啓蒙して知恵をつけなければならない。そうすればすべての問題は理性的に平和裏に解決できる」というような考え方です。
その完成形がマルクス主義です。
彼らは、神とか伝統とか人間性など、曖昧で非科学的なものを一切排除して歴史観、経済論、哲学を人為的に作り上げました。
そして、その思想は世界を席巻するに至ったのです。
猿が進化して人間になったという彼らの唯物的歴史観は、今も学校で教えられ、人間は労働力に過ぎないという労働価値説は、時給◯◯円という形で社会に定着し、A対Bの対立的論法は学問の主流になっているのです。
これは、何を意味しているのでしょうか?
マルクス主義者たちは理性というタイトルを掲げて、人間の理性を奪うことに成功しているということです。
つまり、自由、平等、人権、民主、平和という理性を象徴する言葉のもとに、私たちから自由、平等、人権、民主、平和を簒奪することに成功しているのです。
マルクス主義の本質は考え抜かれた『だまし』の思想
ではなぜ?
うそ偽りで構築されたマルクス主義が、これほどまで人の心に食い込み、今なお世界の動静に影響を与え続けるのでしょうか?
それは、この思想が考え抜かれた『だまし』の思想だからです。
人間の感情、言動を巧みに操り、人間をコントロールする『だまし』の術が全て込められているのです。
その動機と目的
先ず認識しておくべきことは、この思想の原点に「神に対する恨み」があるということです。
動機が「神に対する恨み」であるということは、その目的は「神を亡き者にする」ことであり自分が「神に取って代わること」以外にありません。
神に取って代わって何がしたいのか?
人類の上に君臨し「全ての人間を支配すること」です。
彼らは、掲げているスローガンに違いはありますが、動機と目的、手段は同じです。
動機は恨み、目的は支配、手段は選ばずです。
思想の正体
ではその『だまし』のからくりを見てみましょう。
1真理のうわべ(形)を真似る(盗む)
この思想は、動機は恨み、目的は支配です。
その目的のために人為的に理論が組み立てられています。
その原形となっているのが、イエスキリストの言葉です。
彼らは、真理を説かれたイエスキリストのうわべを真似、中身を全部入れ替えて「反キリスト」理論を構築したのです。
では、それが、どのように入れ替わっているのか?
簡単に説明します。
キリストの教えは、まず神を愛せよという第一の戒めと、汝の隣人を愛せよという第二の戒めが軸になっています。
これは、人間の心の在り方についての教えです。
心の中に神と自分という縦軸と、自分と隣人という横軸があり、それを愛で結びなさいということです。
これは、心の中の天国です。
そして、全ての人間が神の前に謙遜と真実な心情(縦軸)を持ち、隣人愛(横軸)で繋がれば、自ずから平和な世の中(神の国)が来るといっているのです。
これは、見える形としての天国です。
これに対してマルクスの思想は、縦軸に神を否定し理性を置き、横軸は隣人愛ではなく平等を置きます。
そして、人間は、この縦横の軸、理性と平等によって平和な世の中(ユートピア)が来ると言っているのです。
このレトリックがお分かりでしょうか?
理性と平等という言葉は、本来人間の真実な心情(縦軸)と隣人愛(横軸)が前提になってこそ成立する概念です。
しかし、彼らは理性と平等という言葉を使って、人間の真実な心情(縦軸)と隣人愛(横軸)を意図的に否定する思想を組み立てたのです。
しかし、この思想は非常に説得力がありました。
理論として成立するからです。
それで、多くの人が騙されたのです。
2徹底的な理論武装
彼らの言う理性とは、彼らが「人為的に構築したロジック」のことです。
私たちが、普通に考えるような「物事を正しく認識したり、道理に従って判断したり行動したりする能力」のことではありません。
そこで彼らがしたことは徹底的な理論武装です。
理性という言葉を彼らが都合の良い意味に変えて理論武装したのです。
彼らが恐ろしいのは、人為的な言葉が武器として使われることです。
理性という言葉が、良心に基づいた本当の理性を徹底的に排除するために使われているのです。
そして、
その理論を人間に刷り込むことによって、良心の呵責も、矛盾したことに対する違和感も持たない非人間的人間をつくりだしています。
そういう意味で、彼らの言う理性は最高なところに到達しているのでしょう。
彼らの言葉の正当化の技術は、有能な知識人によって高度に練られています。
曖昧な良心家が、曖昧な言葉で立ち向かってどうにかなるレベルではありません。
それで、多くの人が騙されたのです。
3印象操作
彼らの常套手段の一つが印象操作です。
印象操作とは、反理性の最たるものです。
しかし、大衆はこの印象操作に弱いのです。
彼らは、そのことを熟知しているのです。
「ウソを百回くり返せば本当になる。これは事実だ。しかし、より重要なことは、このウソをさらに千回くり返せば、大衆はもう、それがウソても本当でも、どちらでもよくなる」とナチス宣伝相のゲッペルスが言ったといわれています。
この考え方こそが彼らの本質を表しています。
彼らが、明確に目指すものが人間支配であるということです。
そして、動機は「反キリスト」です。
彼らが執拗なプロパガンダで印象操作をするのは、神を礼賛する大衆の意識を逆手に取っているのです。
そして、理性万能主義者(彼ら)こそが本当の神だと言いたいのです。
4理性、、、その実は、マイナス感情の増幅理論
理性とは名ばかりで実際は、彼らの思想には禁じ手がありません。
ルールも秩序も良識も何もありません。
ワイロ、脅迫、殺人、拉致、誘拐、テロ、、、何でもありなのです。
『目的のためにはどんな手段も正当化される』というのが、彼らの思想です。
弱点を握る、弱みにつけ込む、恨みを増幅させる、怒りを爆発させる、争わせる、混乱させるというものが基本テーゼなのです。
つまり、彼らの思想はマイナス感情の増幅理論です。
正論で人を動かすのではありません。
感情の弱点を突いて人をコントロールするのです。
何の悪意もない、人の好い、良心家などは簡単にやられてしまいます。
それで、多くの人が操られてきたのです。
マルクス主義がどうしてこれほどまでに根深いのか?
それは、、、
真理のうわべを真似て、人間をコントロールする『だまし』の技術の全て込められた、人為的な最高度の理論になっているからです。