不幸のからくり19
法と秩序のからくり
一般的な家庭では、子供が親を支配するということはありません。
親の方が力を持っているからです。
腕力はもちろんですが、知力も、経済力もです。
本来、、、
ルールや秩序というものは、公正な判断力を持つ大人が、それ相応の権威を持って子供たちに接していたならば自然と勝手に成り立ってゆくものです。
しかし、、、
その大人が、公正さを失うか、または、公正さを保つ力を失うときには、、、
秩序は保たれません。
子供には、公正を保つだけの自制心がないからです。
そこで、、、
(制御するものがない状態で)奪い合いをはじめたならば、力による争いになります。
(ルールも秩序もないのですから)当然、、、殺し合いにもなることでしょう。
人類歴史はまさに、これでした。
ルールも秩序もない力による略奪行為が、長い間当たり前のように行われてきたのです。
しかし、、、
このような無秩序な争いを続けていたら、命がいくらあっても足りません。
そこで、、、
考え出したのが、法による秩序です。
でもこれは、、、
ルールのない奪い合い(略奪)から、ルールのある奪い合い(略奪)、、、
に変わった、、、だけのことです。
力による支配という本質は、何も変わりはありません。
逆に、、、
奪うことを法が正当化している点では、一層悪質になったとも言えます。
つまり、、、
力で支配する者たちが、略奪によって財力をなすだけでなく、
今度は、知力をも獲得し、自分の力の支配を正当化する法と秩序を作るに至ったということです。
これは、、、
言ってみれば、最初は非合法で略奪行為をしていたヤクザが、自分たちで法律を作り、悪どい商売を合法的に行っている、、、のと同じです。
しかし、、、
このような悪どい商売をしていたならば、当然世間の風当たりは強くなります。
それで、、、
今度は、、、
彼ら(支配する側)は自由、人権、平等という言葉を前面に出すようになります。
人々を納得させるためです。
極論すれば、、、西洋の思想、理論、哲学はほとんどが、、、これです。
それゆえに、、、
自由を掲げて略奪し、人権を掲げて蹂躙し、平和を掲げて支配するというねじれた構造が出来上がっているのです。
ですから、、、
今の法と秩序の下では、裁判をしても正しい者が勝つとは、、、
限らないのです。
何故ならば、、、
表向きは、公正さを掲げていても、実際は不公正な権力者が勝つ、、、
仕組みになっているからです。
その仕組み(法と秩序)を作ったのも、、、
管理しているのも、、、
彼らであって、、、
公正で無私な大人がしていることではないからです。