不幸のからくりⅩⅥ
人類は、自己保身(支配欲と依存心)から脱却していない。
その人間の心が、今の世界を形作っている。
これが、現状なのです。
今の世界の二大大国、アメリカと中国を見てみましょう。
アメリカは、自由主義を掲げていますが、一握りの大富豪が、全体を牛耳っています。
中国は、平等を旗印に掲げていますが、一部の共産党幹部が全体を支配しています。
どちらも、、、
一部の権力者が、建前として普遍的価値観を掲げながら、実際は力の原理で大衆を支配しているという構造です。
支配する側は、本心で普遍的価値を実現しようと思いません。
彼らにとって、自分の権力を維持することの方が重要だからです。
支配される側(大衆)も、、、ほとんどの場合、本気で普遍的価値を求めません。
自立して戦うよりも、権力に媚び、依存することのほうが楽だからです。
つまり、、、
支配する側も、される側も、真実(普遍的価値)よりも自己保身が大事なのです。
これが、世界の構図が、支配・被支配になっている原因なのです。
では、、、
私たち日本人は、どうでしょうか?
言うまでもなく支配される側です。
アメリカや中国には、媚を売るだけで何も言えません。
主権(自立心)が立っていないのです。
つまり、、、
私たちの日本も、
支配と依存の不幸の構図にすっぽりと嵌ってしまっているのが現状です。
一日本人として、本当に恥ずかしい限りです。
日本人は、本来自己保身を嫌う民族でありました。
「自己保身(支配欲や依存心)は、所詮は滅びでしかない」ことを知る、、、おそらく世界で唯一の民族だったのです。
それで、、、
日本の知識人たちは、不義に屈する(自己保身)ことを、死ぬこと以上の恥と考えてきたのです。
そして、実際に多くの先人たちは、命を犠牲にしてまでも真実を守ってきたのです。
この清廉潔白さこそが、日本の伝統だったのです。
しかし、、、
今の日本人は、戦後の分断工作によって、今だけ・金だけ・自分だけの自己保身型の人間ばかりとなってしまいました。