たぬきの尻尾Ⅱ
世の中から不幸がなくならない理由を知ってますか?
一言で言うと、人の中に抗体がないということです。
抗体とは悪意を跳ね返す力のことです。
悪意とは、自分の思い通りに人を動かそうとする支配欲のことです。
悪意のない一般的な人々にとって一番良いのは、このような悪意を持つ人間が世の中からいなくなることですが、 古今東西、悪人がいなくなった、、、という話は、残念ながら聞いたことがありません。
これは、世の中に蔓延る悪意を根絶するだけの抗体を、私たちが有していないということの証拠です。
人を思い通りに扱うというのは党派心の最たるもので、今の世の中で、それを良いことだとする人はありません。
しかし、それを暗に認めてしまっているのも、私たちなのです。
それが、甘えという私の中の党派心です。
甘えとは、すなわち自立できないこと、未熟さのことですが、言葉を変えると支配されたいという思いなのです。
表現に少し違和感を持たれるかも知れませんが、保護を受けたいというのと支配されたいというのは、悪意のある側からすれば同じ事です。
つまり悪意と甘えは党派心の裏表であり、需要と供給の関係になってしまっているのです。
つまり、人に支配されたいと言う、、、甘え(党派心)が、私たちの中にある限り、不幸が世の中から根絶されることはないということです。
吉田松陰が、、、「今日よりぞ 幼心(おさなごころ)を打ち捨てて 人となりにし 道を踏めかし」と言いました。
橋本左内が「 稚心(ちしん)を去れ」と言いました。
党派心(甘え)を無くすことこそが、自立した大人の第一歩である、、、という彼らの明確に意識がよくわかります。
表現を変えると、党派心(甘え)を捨てられない者は幼児、、、つまり、世の中の悪意(党派心)に対して何の免疫力を持たない自立できない人間であると、、、言っているわけです。
昔の人は、自立心がありましたね。
それに比べて、今世の中の教育はどうでしょうか?
精神的な自立について教わる機会があるでしょうか?
形ばかりの、ゆるゆるの甘え(依存心)教育になっているのではないでしょうか?
私たちの中に党派心(甘え)があることが、不幸がなくならないことの理由です。